推奨される面会交流ガイドライン

0歳から3歳未満の場合

0歳の前半6ヶ月は子どもにとって愛着関係を築く大切な時期です。愛着関係ができて初めて、愛される自分に自信を持ち、世界は安全だと知るようになります。それが自分を取り巻く環境や、いろいろな人と関わっていく基礎となります。

0歳の後半6ヶ月は子どもが心の中に大切な人の存在をイメージとして持ち続けることができるようになります。見えなくても、離れていても、大切な人は自分を見捨てないことを知ることができます。子どもは生後6ヶ月までに積極的に自分から環境に関わりを持ち、自分の位置づけをはっきりさせていこうとする傾向がみられます。別居親も積極的にお子さんに食事を与え、一緒に遊び、風呂に入り、寝かしつけるなどの日常的な育児を行なうことが推奨されます。

こうして両親と積極的に交流することにより、子どもの自己肯定感は育まれ、別居親も子育ての技術を学ぶことにもなります。子どもとの絆は、単に物理的に子どもの欲求を満たすのではなく、子どもに情緒的な結びつきを形成させることが重要です。

子どもは特定の人に対して、泣いたり、笑ったりと自ら積極的な働きかけを行い、保護養育してもらう関係を築こうとしていきますが、これは両親から与えられる身体的な接触により、子どもが安心感を持つことができるからです。これにより、子どもは特定(保護養育してくれる)の人に対して情愛の絆を形成し、これが親子の結びつき、アタッチメント(愛着)と考えられています。安定した精神発達のためには、両親のこのような親密で継続的な関係を築くことが必要不可欠です。

1歳を過ぎると大人を他者としてとらえ始め、自分に目覚め始めます。そして、自分がしていることへの共感と承認を求め始めていきます。自分が働きかけると相手が応答してくれる『効力感』を感じる遊びが大好きです。

2歳からは、ますます自己主張が盛んになり、第一反抗期とも呼ばれます。また、依存と反発の両極端を繰り返します。この経験により、自分と他者の区別が、よりはっきりとし、徐々に自分をコントロールできるようになる土台を作っていきます。面会交流は、子どもが自己主張するようになるので、子どものストレスに配慮しながら、別居親は、じっくりと子どもと関わる機会を増やしていくことが望まれます。

別居前から子どもに十分に係わっていた親の家であれば2、3日連泊することも望ましいです。別居親と子どもがネット電話で交流することや部屋に別居親の写真を貼ることもよいでしょう。

同居親は子どもと共に別居親のことについて楽しく会話することが望まれます。また、子どもは自分自身で判断ができないような状況の場合、信頼できる人の情緒的な情報(表情など)を利用して判断してしまうので、ご両親双方、相手に対する感情は良好なものにしてください。両親双方とも子どもの親として信頼しあいましょう。



3歳以上、6歳未満の場合

3歳になると、まだまだ自己中心的ではあるものの、他者の存在が、しっかりと見えるようになってきます。羞恥心や罪悪感、自尊感情も芽生えてきます。

自分に非があっても自分は悪くないと主張しますが、『自分もできるようになりたい』『みんなに認められたい』という願望の裏返しであり、共感の言葉をかけながら、気持ちを立て直させる促しが大切です。5歳からは、相手の考えと自分の考えが違うことがわかるようになり、相手の気持ちを推測することができるようになってくるとされます。思いやりや共感はこの時期から生まれてきます。子どもが「それって、どういうことだろう?」と考えたり、相手の気持ちを推測することができるようになり、物事がわかりだす年齢です。子どもはルールを守ることができるようになりますので、両親は面会交流のルールを守り、子どもの良きお手本となっていただきたいと思います。また、社会的モラルを身につけさせるには、子どもが、しつける側の行動をモデルにして、社会規範や価値観を自分の中に取り入れるとされるため、両親がモラルある行動を示していくことが大切です。

この3歳から6歳までの子どもが面会交流を嫌がるようであれば、それは子どもの問題ではなく、親同士の紛争・葛藤による、親の問題であると考えられます。

子どもは社会性が育ち始めたものの、まだまだ善悪の判断は大人にゆだねるしかありません。

「どうして嫌なの?」と聞くと「だって、ママ(パパ)がそう言ったから」という権威主義的な答えが返ってきます。

これでは、自分の責任を大人まかせにしているにすぎません。子どもが自分の正直な気持ちを表現することは、自分への誇りや自尊心を育むことにつながりますので、大人の意向に沿わなかったとしても、子どもの正直な気持ちをくんでいただきたいと思います。



6歳以上、13歳未満の場合

子どもは、その世界を家族から仲間、学校へと広げ、社会性の発達の基礎となる経験を積みます。この経験を通して、次第に自分をコントロールできるようになっていきます。

さらに、ルールを言葉で明確に子どもに示すことは、それを手がかりに自分をコントロールすることの発達を促します。

自己意識の発達は、自分を抑えたり、我慢することや、道徳的な判断も含んでいます。また、この頃の子どもは自他を区別するのに表面的な特徴が大きな影響をもちます。

友人間での人気など、自分の客観的な特徴が自己意識を高めていく時期であると考えられています。面会交流は、子どもの学校行事及び交友関係に支障をきたさない日常的かつ計画的なものが推奨されます。



13歳以上の場合

青年期は「第二の誕生」とも言われ、自分が独自の存在であることに気がついていく時期です。子は精通や声変わりが現れ、身体つきも男性らしくなります。女子は乳房の発達や初潮を迎え、女性らしくなります。

これらの身体的変化により子ども扱いされなくなってきます。子ども自身も大人に対する見方を変え、行動範囲を広げ、自由度を増していき、社会的変化が起こります。身体的変化、社会的変化とともに「自分が独自の存在であること」に気づき、自己の内面に目が向けられていきます。その中で、孤独を感じたり、自分を受け入れられないという混乱(劣等感)を生み出したりします。子が親から自立し、仲間との関係を大切にする時期です。

別居親は子の生活リズムや友人などとの交流を優先し、より柔軟性のある計画を立てましょう。

「私は、いつまでも私のままである」「私は1人しかいない」と感じるアイディンティティ(自我同一性)を子どもが獲得するために、青年期は特に自分に自信を持つことが重要です。

青年期では、子どもが自分の発達段階で獲得されてきた課題や危機を振り返り、見直すことができずに直面する問題を乗り越えられずに自らを見失い混乱していきそうになりやすいです。

そのような時、親として、また人生の先輩として自分の人生における課題や危機を振り返り、直面した問題をどのように乗り越えてきたのかを子どもに伝えてあげてください。面会交流の際に、親として子どものアイディンティティの獲得をサポートしていただきたいと思います。